完成鏡筒の偏芯量測定は最近特に要望の多い項目です。
鏡筒の真円度も重要な要素です。先ずは筒の有無での偏芯量の差異をご欄に入れます。
そして実際の完成鏡筒の測定事例をご紹介します。サンプルは下記です。
1.天体望遠鏡のファインダー2種
2.接眼レンズ(2インチサイズの広角タイプ)
3.リレー系レンズ(2インチサイズ)
4.接眼レンズ(モーターステージによる自動回転式でのテスト)
5.旧式一眼レフの交換レンズ
※最近の高級一眼レフでは芯精度が段々厳しくなって来ています。
又対物レンズの金枠入りでの精密調芯作業と偏芯テストに適しています。
回転機構にベアリングを採用しました(下図)
鏡筒にレンズが入った状態での偏芯テストでは筒の外周を基準とします。
その場合、金物の表面状態に依ってはモーターで上手く回転しない事もあります。
それを解決する為にベアリングを採用しました。
又回転させながらの芯出し作業にも適しており動きも滑らかです。
モーター駆動式ベアリングV受け
ベアリングを2個使い、台座は樹脂製です。
ユーザー様の測定希望鏡筒に合わせて
個別に製作致します。
(画像はサンプルとして通常のレンズを掲載してあります)
サンプルは天体望遠鏡のアイピースとしました。
筒は単なる金枠のみで光学系は入っていません。
値は14分43秒でした。
今度は本来の製品の通り金枠を付けて測定しました。
測定円が<三角形>を描いており、これは筒の真円度が良くない典型的な事例です。
値も19分30秒と約5分程下がっています。
標準の<3本爪ステージ>のデルリン部に鏡筒のフチを載せます。
サンプルに依ってはフチの突き出し長さを変更する必要があります。
テストその1・・・天体望遠鏡用ファインダー対物レンズ(φ50mm)
天体望遠鏡用ファインダー対物レンズ(φ50mm)
中国製反射望遠鏡に付属しているファインダー。
いわゆる金枠入りのアクロマートレンズです。
偏芯量約30秒でした。
見え味も鋭く実像もかなり鋭い像を結んでおり、
金枠も肉厚の金属性でしっかりとした作りです。
同じく望遠鏡用ファインダーで、
同じくアクロマートレンズです。
廉価版の望遠鏡の付属品で
見え味もそこそこです。
偏芯量は約1分30秒でした。
テストその2・・・接眼レンズ(2インチ広角タイプ)
こちらは2インチサイズのf=26mmです。
形式は最近のタイプで<ワイドアングル>という
名称で出ています。
かなり大きな円形を描きますが測定軌道は
ほぼ円形です。
値は約14分でした。
こちらはリレー系レンズでバローレンズという
倍率を拡大させるためのレンズです。
高さが高くレンズ部のみを取り外して
測定しました。綺麗?な三角形軌道です。
値は約2分30秒でした。
テストその4・・・接眼レンズ(モーターステージによるテスト)
スライド式V受けモーターステージ(RS−9型)に
依るテスト風景です。
サンプルはプローセルというタイプの
アメリカンサイズです。
完成鏡筒テスト
フイルム式一眼レフの交換レンズです。何社かテストして見ましたがここのメーカーのレンズは軌跡も比較的真円を描き流石に偏芯量が少ないです。
50mm F=1.8
完成鏡筒測定結果
以上5種類の偏芯量をテストしました。
最終製品の芯ズレ量をこの装置で測る事で出荷前検査が可能です。
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